知る必要のないネガティブなニュース  ガリヴァー旅行記/フウイヌム国渡航記

うちの両親は夕飯を食べるとき、ニュースを見ています。

聞こえるのが「シリーズ;私はだまされない」という詐欺被害の事例集 (;´Д`) それと誰が殺された、誰が盗んだ、誰が悪いことした…わざとネガティブなことばっかり流してますが、それを聞いて「怖いね、嫌だね、最低だね」と。

 

消化にも悪いし、そのニュース知る必要ありますかい? 

 

とにかく良い話しを流さない。

綺麗で心温まるニュースだってたくさんあるはずなのに、わざと流さない。疑い深く、否定的。人の悪い部分を成長させてるのは、ネガティブな言葉を繰り返し繰り返し聞いているからです。

 

ガリヴァー旅行記 (岩波文庫)

 

大人になってから、食い入るように読んだ話しです。

四話目、フウイヌム国「馬の国」のお話があります。

 

 この国には権力、政府、戦争、法律、刑罰などという言葉がまるでないのです。戦争、大砲、小銃、弾丸、火薬、剣、軍艦、それから、攻撃、砲撃、追撃、破壊など。

 

海賊などというものが、てんでわからないのでした。

 

そしてこう尋ねます。


「いったい、何のために、何の必要があって、人間はそんな悪いことをするのか。」

 

…なんででしょう

 

聞かれたら言葉に詰まってしまいます。

ほんとに、なんででしょう。

 

そもそも、そんな単語と無関係の世界で生きたら、見えるものだって変わってきます。子供を持ったらわかると言われた、悪いもの・ネガティブなものを見せたくない気持ちと同じく、自分の目や耳もそこから離して守りたい。

悪い世間の話題なら、ついていく必要ないし、知らなくたってどうでもいい。

誰かをバカにして笑ってる番組も、全然面白いと思わない。

 

この物語には、ヤーフという見た目も心も醜い動物がでてきます。それは欲のために独り占めし、疑い、相手を傷つけ合う…笑っちゃうくらい食事の時間のニュースと同じ心を持った生き物。

ヤーフを自分に見立てて恥ずかしく思ったり、人間が嫌になったというコメントもありました。

 

だけどフウイヌムという馬の質だって、人間がもっている素晴らしい部分です。

フウイヌムみたいな人だって、たくさんいます。

フウイヌムみたいな人と会っていたい。

フウイヌムみたいな人になりましょう。

 

 彼等の話は、ちょっとも無駄なところがなく、簡単で、はっきりしていました。ちゃんと礼儀は守られていて、堅苦しいところがないのです。しゃべることは、話す方も楽しければ、聞く方も気持よくなるようなことばかりです。じゃまも入らねば、退屈もなく、のぼせたり、争ったりするようなことはないのです。

 私は質問に答えるほかは、こちらから口を出して、しゃべったりするようなことはしなかったのです。たゞ、そばで彼等の話を聞いていれば、それだけで、私は気持よかったのです。

 

聞いてるだけで、気分のいい会話や話題を。

 

食事時間、「まんが日本昔話」なら、見たいです。